廃課金者多数でも3億の赤字の「SHOWROOM」が大丈夫な理由3つと今後の展望について

どうも、まてこい(@matekoi)です。前回のブログエントリーが予想以上に反響があったので、頑張ってネタを捻り出してブログ更新したいと思います(゚Д゚;、、、

 

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さて、先日アイドルスケジューラーでも記事にした「SHOWROOM 3億円の赤字」というトピックについて、多くの反響があったようで、自分なりにSHOWROOMの現状と今後についてまとめておこうと思います。

 

3億赤字出してもSHOWROOMが問題ない3つの理由

まずSHOWROOMの親会社はインターネット関連企業のDeNAですが、DeNAの直近の決算情報を見てみましょう。

売上1,241億円、営業利益135億円です。ネット起業の中でも大きな数字となっており、利益が大きいのが横浜DeNAベイスターズで2018年の純利益は11億1,800万円

まずこの数字を見ただけでも、3億という赤字が相当小さなものに思えるのではないでしょうか。
また、SHOWROOMは2013年11月25日にサービスを開始し、約5年半が経過しているので「5年も経ってるのにまだ投資フェーズなの?」という見方もありますが、同じように長く赤字を出してきて今では大きな収益を出しているメディアにAmebaブログ(アメブロ)」があります。

今ではブログメディアとして成立しているアメブロも6年掛かってやっと四半期で黒字を出しました。そういう面を見ても、まだまだSHOWROOMが投資フェーズであることは違和感ないかと思います。

ということで、親事業がまだまだ成長中であるということ、その親会社が投資を続けていける体力があることが、1つ目の理由になります。

 

ソニー・ミュージックと業務提携しPF提供

理由の2番目として挙げられるのが、2014年8月6日に「ソニー・ミュージックエンタテインメント」と業務提携している点です。
ソニー・ミュージックと言えば、現在は乃木坂・欅坂・日向坂の坂道グループですが、その坂道グループの動画配信を一手に担っているのがSHOWROOMです。

勿論、坂道グループ以外にもSHOWROOM上ではライブアイドルや地下アイドルが番組を持っていますが、多くの坂道グループファンがその他の番組を視聴することで、サービス内での還流が出来上がり、ユーザーの定着化が起こりやすくなっています。
SHOWROOMと同じ形式のサービスで「ニコニコ生放送」がありますが、こちらはゲームやアニメに特化した番組が、SHOWROOMで言うところの坂道グループの番組になっています。
強いコンテンツがなければサービスは展開できないので、そういった面でもSHOWROOMは強いコンテンツ基盤を持っているのが強みです。

また、2015年8月にソニー・ミュージックエンターテイメントに株式を1,000株発行し、資金調達を5,000万円実施しています。
コンテンツ面と会社面でソニーが支えている以上はまず盤石、下手すると、SHOWROOMが赤字を出してても坂道グループの売上で補填している?! とも見えなくないです。
こうした一社独占ではなく、他社と提携しリスクを分散している面も強みです。

ということで2つ目の理由は、「有名コンテンツを抱えている外部会社と業務提携しリスク分散している点」です。

 

廃課金しているユーザーが多い&ARPUが高い

3つ目の理由として、SHOWROOMの決算公告から読み解くと、流動資産の利率が高い点があります。これは、ユーザーが課金している分の売上をプールしているのと、その他流動資産を多く有していると推察できます。

当座資金も多い上に親会社や提携先などの有価証券もある(と思われる)ので、体力的にはまだあります。
積極的に配信設備や最近初めたVR配信などの設備にも投資をしているので、固定資産は増えてますが、これは逆に言うと「しっかりサービス改善・拡張に投資している」ということが伺えます。

それとSHOWROOMでは、ユーザーが多く課金する&高額な課金をする、俗に言う「廃課金」ユーザーが多いので、ユーザーのARPU(客単価)が高いため、ショットの売上が稼ぎやすいです。この辺がギフティングサービスの強みでしょうね。
こうした高いARPUに支えられている点が、SHOWROOMの強みその3ではないかと思います。

 

とは言え赤字はいつまで続くのか?

よくこうした赤字事業は税金対策ではないか? と言われる面もあるのですが、SHOWROOMについてはそれはないと思ってまして、2017年と2019年に監査役が変更になっており、IPOを目指しているとも受け取れるからです。

また、個人的にですが、私まてこいがSHOWROOMがまだアプリがなくPCでのみ配信をしていた2013年に現在の社長の前田氏と会った際、
「今はアイドルなどのコンテンツに偏っているが、将来的にはスポーツやTV番組も扱いたい」と話していました。

まだ当時のビジョンから変わっていないのであれば、赤字のままサービスを続ける気がなく、単独でビジネスが成立する形を模索している最中ではないかと思います。

こうした面を見ると似通っているのが、「Abema TV」が思い浮かぶ方もいると思いますが、まさにAbema TVも現在200億円近くを投資中で、まだまだ黒字化への道を模索しています。


Abema TVと近しいサービスなので、SHOWROOMも黒字化する最大のファクターは、私はSHOWROOMが広告をどのタイミングで導入するか」だと思っています。

 

また、Abema TVのような動画広告はなかなか生放送主体のSHOWROOMでは難しいと思われるので、バナー広告を生放送中に流すとか、配信者に広告の画像を載せてもらうなどの広告モデルが相性がいいのでは、と個人的には考えてます。

私も「GYAO!」や「TSUTAYA TV」など動画配信サービスに関わっていたのでこの手のサービスの苦労は分かっているので理解はしつつも、どの時期にSHOWROOMが赤字を解消してプラットフォーマーとしての地位を確立するのか、観測し続けていこうと思います。